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IKEDA隊長コラム

住宅医シンポジウム

昨日は、既存住宅の改修技術やインスペクション(住宅診断)技術を要請している団体

「住宅医協会」にて「住宅医フォーラム2017」が開催され、隊長もパネラーとして

登壇させていただきました。

 

この度の開催趣旨は、昨年の熊本の震災によって数多くの建築物が損傷や倒壊などが発生

し、そのことを建築技術者は教訓として、今後に設計・施工技術に活かしていくべきと

同協会で主催されたものです。

 

テーマは「災害とレジリエンス 〜木造住宅の耐震性とは〜」

 

基調講義は

構造設計のカリスマから今回の熊本の震災を建築学会として調査、報告等に携わられた方の

他、熊本の建築家や工務店の報告があり、その後に住宅評論家を交えパネリングが行われました。

 

専門家の集まるシンポジウム故、専門用語が飛び交うディスカッションとなりましたが、

まずは、今回の題目にもあ「災害とレジリエンス」・・

 

このレジリエンスと言う言葉を耳にされる技術者もまだ少数であることから、国土強靭化

の民間部門でもあるレジリエンスジャパンの住宅委員を務める隊長から、レジリエンスと

言う意味についてお話させていただきました。

 

【レジリエンスって?】

レジリエンスとは「つよくてしなやか」いわゆる回復力が高いことを意味します。

住宅で言うと、平時に準備をしておき、災害の影響を受けにくくし、その後もすみやかに

復興できること意味しています。

 

季節的に、人で例えるとインフルエンザにかかり難い健康な体、いわゆる免疫力を高めて

おく。万が一病にかかってしまったら、一日でも早く復帰できるような体であるというの

と同じですね。

 

【耐震性って?】

熊本の震災から見えてきたこと、そして隊長も幾度も熊本の現地を見てきて、やはり

耐震性能は余力をもつことが大事です。余力とは、ギリギリの耐震設計ではなく、割増

た耐震性能。わかりやすく言えば強い壁をつくる、壁を増やすなどを施すことが大事です。

 

今の岡庭の家づくりでは、法律の1.5倍以上(耐震等級3)を目安に設計していますが、

今回の熊本でもこのような住宅の倒壊は見受けられません。そして、地震は1度でなく

幾度も受ける可能性が高いですし、熊本も同じ時期に震度7が2回も来ています。一度

目の地震に耐え2度めで倒壊というお宅も多かったと思います。また、今後この様な災害

が何時起こるかわかりません。人と同じで住宅も耐震性の備えが必要と言うことをぜひ

知っておいていただきたいと思います。

 

【家の重さはみな違う?】

パネリングの中で、家の重さについてお話させていただきました。

家はそれぞれ形も違いますし素材も異なります。例えば屋根に太陽光発電をのせると言う

行為は発電してくれるメリットに目が行きがちですが、建物の重量的には随分と割増され

ます。今の設計者の中でも重さまで考慮し設計ができている人は多くはありません。

 

より、耐震性を細かに設計していく上では設計技術者がいかにその重さを考慮し基礎や建物

の耐震性を検討していくかがより今後重要。そのようなことを会場に向けて提言、お話させて

頂きました。(当然、おかにわの家造りは重さを考慮し設計しています)

 

という事で長時間に渡るシンポジウムでしたが、自らの構造や耐震性についてのお話、そし

てパネラーや、超メジャーな技術者や学識者の方々からも大きな学びをいただき、有意義な

シンポジウムでした。得たものを今後の家造りや家守りに活かして参ります!

 

 

隊長