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スタッフブログ

無駄のある家

 

先日のベントレーを久しぶりに見て、思い出した事のひとつ。

 

 

HI350928

 

 

 

無駄のある家

 

 

手放すくらいだからひどく荒れており、それから三十年かけて、少しづつ直し、今もまだ直し続けている。

もともと住居はそうしたものなので、これでいい、と満足するときはない。

 

綿密な計画を立てて、設計してみた所で、住んでみれば何かと不自由なことが出てくる。

 

さりとてあまり便利に、ぬけ目なく作り過ぎても、人間が建築に左右されることになり、

 

生まれつきだらしのない私は、そういう窮屈な生活が嫌いなのである。

 

俗にいわれるように、田の字に作ってある農家は、その点都合がいい。

 

いくらでも自由がきくし、いじくり廻せる。

 

ひと口にいえば、自然の野山のように、無駄が多いのである。

 

ー白洲正子『縁あって』より

 

 

 

数年前に撮った写真です。

 

鶴川の”武相荘”に掲示してある。言葉から。 「無駄のある家」。

 

緻密な計画は、必要だと思いますが、その緻密に計画したすまいが完成した時には、

 

過去の産物あることをお忘れなく。

 

それを考えたのは、場合によっては1年以上前だったりして。

 

 

白洲次郎

 

白洲次郎は、イギリス留学中に、あのベントレーに乗って

友人とヨーロッパ旅行をしたとか。。。

 

そんな余裕があるから、田の字の住まいが良いのでしょうね。

 

自分ならばどうするか? 田の字の家には、まずならないですね。。。

狭小住宅だと田の字はありえないかと。

ただ、自分が生まれ、幼少期を過ごした家は、田の字の家だった。

縁側もあり、軒の深い家だった。

 

ちなみに、”武相荘”は、戦前の住居だが、床暖房が入っているですよね。

いつ施工したのか?

 

また眠れなくなる。