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2016.03.06無駄のある家
先日のベントレーを久しぶりに見て、思い出した事のひとつ。
無駄のある家
手放すくらいだからひどく荒れており、それから三十年かけて、少しづつ直し、今もまだ直し続けている。
もともと住居はそうしたものなので、これでいい、と満足するときはない。
綿密な計画を立てて、設計してみた所で、住んでみれば何かと不自由なことが出てくる。
さりとてあまり便利に、ぬけ目なく作り過ぎても、人間が建築に左右されることになり、
生まれつきだらしのない私は、そういう窮屈な生活が嫌いなのである。
俗にいわれるように、田の字に作ってある農家は、その点都合がいい。
いくらでも自由がきくし、いじくり廻せる。
ひと口にいえば、自然の野山のように、無駄が多いのである。
ー白洲正子『縁あって』より
数年前に撮った写真です。
鶴川の”武相荘”に掲示してある。言葉から。 「無駄のある家」。
緻密な計画は、必要だと思いますが、その緻密に計画したすまいが完成した時には、
過去の産物あることをお忘れなく。
それを考えたのは、場合によっては1年以上前だったりして。
白洲次郎は、イギリス留学中に、あのベントレーに乗って
友人とヨーロッパ旅行をしたとか。。。
そんな余裕があるから、田の字の住まいが良いのでしょうね。
自分ならばどうするか? 田の字の家には、まずならないですね。。。
狭小住宅だと田の字はありえないかと。
ただ、自分が生まれ、幼少期を過ごした家は、田の字の家だった。
縁側もあり、軒の深い家だった。
ちなみに、”武相荘”は、戦前の住居だが、床暖房が入っているですよね。
いつ施工したのか?
また眠れなくなる。