IKEDA隊長コラム
2016.11.16被災地を視察して
「JBN全国大会IN福島 二日目」
二日目は公的許可を頂き被災地、そして富岡町、楢葉町をはじめ帰宅困難区域でもある、
浪江町、双葉町の他、福島第一原発5キロ圏付近をバス移動で視察。
富岡町では津波で流された常磐線の富岡駅跡を視察。復興が遅れていて、いまだ線路や駅
の面影もありません。お店や人が減り集落がなくなる・・・一瞬の災害で町が消えてしま
ったこの地にいた方々の気持ちは、我々では図りし得ない心境だったと思います。
復興が遅れているという事を目で見て実感しました。
過去の事ではなく、今でも復興が始まっていない、そして不安を抱えながら生活している
方々がいることを私たちは認識して置かなければいけません。
原発10キロ圏内の浪江町や双葉町は、原発事故によって避難勧告がなされ、集落や商業
地などもそのままの状態で、急にそこから人がいなくなってしまった・・目にすることも
ある町並みではあるものの、人がいないと言うシーンを目にすることは経験にありません。
福島第一原発付近へ。
今もなお、原子力発電については様々な問題や再稼働についての議論がなされています。
安心・安全であったとしても予期せぬ事故になると一瞬で広範囲の町がなくなってしまう
と思うと、原発の恐ろしさを改めて実感します。煙突下が福島第一原発です。クレーン車
のアームが見えますが、この環境下の中、5年を超える今でも必死に廃炉に向けて活動を
している、沢山の人たちが活躍していることを私たちは認識しておかなければですね。
【視察して】
東日本大震災は未曾有の大災害といわれています。
その災害は大きく分けると4つといわれています。、大地震、大津波、原発事故そして、
風評被害。大津波に立ち向かう住宅と言うのは、計り知れない天災エネルギーから、我々の
手がける建築物では対応できませんが、専門的な人間として、立地による災害リスクについ
て把握し伝達をしていく必要は当然あるものと考えます。
大地震については、耐震性の確保と耐震余力のある建築計画(耐震等級3等)により、今後
幾度も遭遇する可能性のある大地震にも損傷しにくい家にする。そして、安定的なエネルギ
ー供給は必要ですが、再生エネルギーの最大限の活用と、住宅の省エネ化を推し進めること
で原発の依存度を少しでも減らしていくことが必要だと思います。
デザインも大切ですが、性能や品質を大切にした家造りが今後も社会に普及すべきと改めて
実感しました。視察させていただいた事から、私共の考えたきた家造りのあり方が間違って
いなかったと確信できたと共に、何時起こるか分からない「災害」、平時と有事の際の住宅
のあり方を、しっかり伝えていかなければと実感した二日間でした・・・疲
自分の目で見ることの大切さを改めて感じた「隊長」でしたー