工務店の技術共有@熊本路

「隊長の活動他」のこと
隊長IKEDA隊長

皆さん、こんにちは!IKEDA隊長です。

先日、かねてから交流のある熊本の工務店仲間である株式会社エバーフィールドさんへ。お互いの工務店技術の共有、そして共に県単位で有事の代表主幹事工務店としての役割を担っているので、これまでの有事と成功例と課題についても共有してまいりました。

エバーフィールドさんは高性能住宅を手がけており、セルロースファイバードライ工法を全棟標準仕様とするなど、基本性能の標準化に真摯に取り組まれています。「建てたすべてのお客様には快適に暮らしていただきたい」という理念は、私たち岡庭建設の考えと共通するものがあり、工務店としてのあり方を改めて考える機会となりました。

今回の訪問では、工務店としての建築技術の共有や、災害時の木造仮設住宅に関する意見交換等を行うことができました。エバーフィールドさんは、熊本地震や昨年発災した能登半島地震でも仮設住宅建設で活躍されており、災害時における地域工務店の重要な役割について、多くの貴重な知見を共有していただきました。こうした災害対応の経験と技術は、私たち工務店業界全体で共有されているんです。

なお、エバーフィールドさんでは熊本県甲佐町に「エバーフィールドベース」という木材加工場を2023年10月に完成させており、くまもとアートポリスプロジェクトの一環として「木造レシプロカル構造」による大スパン空間を実現されていて以前、工事途中や完成時に見学させていただいています。

エバーフィールドさんでの学びの後、熊本城を訪れました。2013年以来の入城となりますが、2016年の熊本地震を経て、装いも新たに見学再開となっています。

熊本城は平成28年(2016年)の熊本地震により、重要文化財13棟すべてが被災し、石垣の約3割にあたる約23,600平方メートルに被害を受けました。復旧工事は段階的に進められておりまだ、調査中や足場などの仮設準備が進められている状況です。当然ですが、本城の地下はそれなりの補強が施されています&一部はまだ、応急的な対応で被災時の状態そのままなのが、被害の大きさを読み取れます。失礼ながらこのような建物被害の状況を目にすることも建築技術者としては目に焼き付ける必要があると感じた次第です。

完了した復旧工事:

  • 天守閣:2021年3月に復旧完了、同年4月から内部公開
  • 長塀:2021年1月に復旧完了(重要文化財復旧第一号)

進行中・今後の復旧工事:

  • 宇土櫓:2022年から本格的な解体復旧工事、2032年完成予定
  • その他重要文化財建造物:順次復旧工事を実施
  • 石垣:約7~10万個の築石を積み直し予定

当初の計画では2037年度完成予定でしたが、熊本市は2024年に復旧基本計画を見直し、工期を15年延長。全体の復旧完了は2052年度となる見込みとのことで後30年近くも・・・驚

そして、帰京は熊本阿蘇空港〜ですが、空港も見応えがあります。特に3階搭乗待合エリアの天井一面に貼られた約3,600枚の小国杉100%使用の特別な「合板」。「合板」と聞くと下地のイメージがありますが。「合板」木材にしか出せない自然のゆらぎと木の香りが空間全体に広がり、熊本の豊かな自然を表現した圧巻の空間が私は大好きですね。

という事で、学び多き濃厚な熊本路でした。

 

隊長

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