空調を考える ④ 高気密住宅のエアコン選びは「畳数」だけで決めない

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家電量販店でエアコンを選ぶとき、多くの方がまず見るのが「6畳用」「10畳用」「14畳用」といった畳数表示です。もちろん、ひとつの目安にはなります。ただし、高気密・高断熱の住まいでは、この畳数表示だけでエアコンを選ぶと、実際の暮らしに対して大きすぎる機種を選んでしまうことがあります。

一般的な畳数表示は、昔ながらの住宅性能を前提にした目安です。断熱性や気密性が高い家では、外の暑さや寒さが室内に伝わりにくく、少ないエネルギーでも室温を保ちやすくなります。つまり、同じ30坪ほどの住まいでも、家の性能によって必要なエアコンの能力は変わります。

ふじまちテラスは14畳エアコンでパッシブ冷暖 稼働中

岡庭建設では、ふじまちテラスをはじめ、30坪前後の高気密・高断熱住宅で14畳用エアコンをひとつの目安にしています。

30坪の家だから〇畳用が必要という考え方ではなく、断熱性能、気密性能、日射、間取り、階段の位置、空気の流れを見ながら、必要十分な能力を選ぶことが大切です。

「小さすぎて効かないのでは」と心配される方もいるかもしれません。しかし、高性能住宅では、家そのものが外気の影響を受けにくいため、一般的な住宅よりも小さな容量で計画できる場合があります。

一方で、「14畳用を入れれば、どんな家でも大丈夫」というわけではありません。大切なのは、エアコンの能力と家のつくり方が合っていることです。気密性が低く、すき間から空気が逃げてしまう家では、せっかく冷暖房しても効率よく室温を保てません。また、大きな窓から日射が入りすぎる場合や、階段・吹き抜け・建具の位置によって空気が届きにくい場合は、同じ14畳用でも効き方が変わります。

ふじまちテラスのパッシブ冷暖でも、14畳用エアコンを採用しています。大切なのは、エアコンの大きさだけでなく、その冷気や暖気を住まい全体へどう届けるかを設計することです。

断熱・気密・空調計画を一体で計画する時代

冷たい空気は下へ下がり、暖かい空気は上へ上がります。そのため、1階リビングと2階リビングでは、エアコンの考え方も変わります。2階リビングの場合、夏は冷房でつくった冷たい空気が階段を通じて下へ降りていくため、空気をめぐらせやすい面があります。一方、冬は暖かい空気が上に集まりやすいため、1階が寒くならないように、階段の位置や空気の戻り道を考える必要があります。

1階リビングの場合は、夏に冷たい空気が1階にたまりやすく、2階へは届きにくいことがあります。冬は暖かい空気が2階へ上がりやすいため、上下階で温度差が出ることもあります。だからこそ、エアコンの畳数だけでなく、階段がどこにあるか、吹き抜けやホールとどうつながっているか、ファンや建具で空気をどう動かすかが重要になります。

岡庭建設では、断熱・気密・空調計画を一体で考えています。高断熱・高気密の家だからといって、エアコンを1台置けば自動的に家中が快適になるわけではありません。必要な冷暖房の量を見極め、住まいに合ったエアコンを選び、その空気をどう動かすかまで考えることが大切です。

エコアンのように、家全体の空気を考える仕組みを活かす場合も同じです。機械だけで快適さが決まるのではなく、家の気密性が整っていること、空気が計画外のすき間から逃げないこと、階段や吹き抜け、ファン、ガラリなどを使って空気を必要な場所へ届けられることが大切です。

高気密住宅のエアコン選びは、「何畳用を買うか」だけでなく、「この家に必要な能力はどれくらいか」「その空気を家全体にどうめぐらせるか」を考えることから始まります。30坪前後の高性能住宅であれば、14畳用エアコンがひとつの目安になります。ただし最終的には、家の性能、間取り、日射、階段の位置、暮らし方を見ながら、必要十分な容量を選ぶことが、快適さと省エネの両方につながります。

エアコンの効き方や、夏涼しく冬暖かい住まいのつくり方をもっと知りたい方は、ぜひ「家づくり学校」へお越しください。断熱・気密・空調計画の考え方を、実際の住まいづくりに近い形で分かりやすくお伝えしています。

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