「木造住宅の耐震診断と補強方法(2025年改訂版)受講済!

「リフォーム・リノベ」
隊長IKEDA隊長

皆さん、こんにちは!IKEDA隊長です。
先日、日本建築防災協会が主催する「木造住宅の耐震診断と補強方法(2025年改訂版)」の講習会を丸一日かけて受講してきました。今回の改訂は、2012年版から約13年ぶりとなる大きな見直しで、これからの住宅耐震診断に大きな影響を与える内容となっています。この2月2日東京開催を皮切りに、全国で開催されるそうですが、回数に限りがあるので、東京会場も大会場で満席でした。

なぜ今、耐震診断基準が改訂されたのか

この耐震診断基準は、1979年(昭和54年)に初めて作成されて以来、幾度かの改訂を重ねてきました。2004年に大幅な改訂がなされ、2012年にも時代に合わせた見直しが行われましたが、今回の2025年改訂には、現代の住宅事情を反映した重要な背景があります。

最も大きな要因は、省エネ住宅の普及による建物重量の増加です。私たち工務店が日々取り組んでいる高性能住宅は、断熱性能を高めるために厚い断熱材を使用し、高性能なペアや近年トリプルガラスサッシを採用し、太陽光発電パネルを屋根に設置します。これらの取り組みは、快適で省エネルギーな暮らしを実現する一方で、建物の重量を増加させています。

建物が重くなれば、地震時にかかる力も大きくなります。そのため、2025年4月に施行された改正建築基準法では、新築住宅の必要壁量や柱の小径の規定が見直されました。岡庭建設では、新築の場合は詳細な構造計算方法、「許容応力度等計算」を採用し、各建物の大きさや形態、重量などを精緻に計算しているので、課題はないのですが、壁量計算など、簡易な計算方法を利用している設計事務所や、工務店やメーカーですと大きな計算方法の改訂になるんです。また、新築がそうであるならば、既存住宅の耐震診断においても、この変化に対応した基準が必要になる。これが今回の改訂の大きな理由の一つです。
むしろ、新築の混乱が起きない対応が優先されていて、既存の改訂が1年遅れになった状況でもあります。ですが、今回の講習会でその方向性や改訂基準が確認できたことで、いち早く新基準で耐震診断に活かしていけそうです。

迫りくる大地震への備え

もう一つ見逃せないのが、大規模地震への切迫した備えです。講習会の資料によると、南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震、首都直下地震、中部圏・近畿圏直下地震など、大規模地震の切迫性が指摘されています。国では、2035年(令和17年)までに耐震性が不足な住宅をおおむね解消することを目標として掲げ、所有者による耐震化にかかる様々な支援を行っています。

私たちが住む東京でも、能登半島地震の教訓を活かし、木造応急仮設住宅の準備体制を整えるなど、災害への備えが進められていますが、何よりも大切なのは、人の命を救うべく、既存の住宅の耐震性を確保すること、そして、避難所に行くことなく自宅で避難できることは何よりも有事のストレスを軽減することにもつながります。自宅の耐震性はどうなんだろう・・・と思われる方、自宅の耐震化に不安がある場合には、耐震診断されることをオススメします。

改めて2025年改訂版の主なポイントって?

今回の改訂では、2012年版の考え方を尊重しつつ、技術者がより利用しやすいように充実した内容となっています。講習会で学んだ主なポイントを、専門的になりすぎない範囲でご紹介すると

1. 省エネ住宅時代に対応した診断法
高断熱・高気密化により重量が増えた住宅に対しても、適切に耐震性能を評価できるよう、診断法が精緻化されました。断熱改修と同時に耐震改修を行う場合の評価方法なども、より実態に即したものになっています。

2. 最新の知見を取り込んだ評価方法
2012年基準発行時より10年以上が経過したことから、2019年以降の知見を取り込むとともに、診断法をより精緻化し、解説を充実させています。技術者がより正確な診断を行えるように、評価方法の明確化が図られました。

3. 改正建築基準法との整合性
2025年4月に施行された改正建築基準法に伴う必要壁量規定との整合を図ることなども目的としています。新築の基準が変われば、既存住宅の評価基準も連動して見直す必要があるのです。

皆さんの住まいへの影響は?
では、この改訂は皆さんの住まいにどのような影響があるのでしょうか。
まず押さえていただきたいのは、今回の改訂は既存住宅の耐震診断・耐震改修の促進に関するものであり、お住まいの家が突然基準を満たさなくなるということではありません。しかし、これから耐震診断を受けようとお考えの方、特に以下に該当する方は注目していただきたい内容です。
こんな方は要注目です

1981年5月以前に建てられた住宅にお住まいの方(旧耐震基準)
2000年5月以前に建てられた住宅で、一度も耐震診断を受けたことがない方(構造に関する建築基準の改訂があった年)
断熱改修と同時に耐震改修を検討されている方
相続で古い家を受け継いだ方
中古住宅の購入を検討されている方

特に、省エネ性能を高めるリノベーションを計画されている方は、建物が重くなることも考慮に入れて、耐震性能も同時に見直すことが重要です。私たちが推進している「性能向上リノベーション」では、断熱・省エネと耐震を一体的に改善することで、安心で快適な住まいを実現していますので。

私たちは創業55年の地域工務店として、新築住宅では耐震等級3、断熱等級6を標準仕様としています。しかし、それは新築だけの話ではありません。既存住宅の性能向上リノベーションにおいても、耐震性能と断熱性能の両立を大切にしています。

今回の講習会を受講したことで、最新の改訂基準に基づいた耐震診断を皆さんにご提供できる体制が整いました。隊長も、建築士として、改訂内容を含め、既存住宅の診断・改修力をより向上&スタッフと共に常に学び続け、最新の知識と技術で皆さんの安心・安全な暮らしに活かして参ります!。

隊長

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