SAREX総会で基調講演

隊長IKEDA隊長

皆さん、こんにちは!IKEDA隊長です。

先日、色濃い工務店が集う組合、SAREXの全国総会にて「工務店はどこへ向かう?2025年-制度と市場のはざまで-」と題して基調講演させていただきました。弊社も組合員ですが、全国の名だたる工務店を前にして話をするのである意味とても話しづらい・・・汗・・・

ですが、工務店の業界団体JBNの副会長を務めている関係もあり、様々な活動から見えていることを含めと依頼がありましたので、私の知る範囲のお話をさせていただきました。

「制度」と「市場」の間で

2025年、建築産業は転換期を迎えます。

一つは【制度の変化】。もう一つは【市場構造の変化】です。

制度面では、建築基準法の改正、省エネ法の改正などが相次ぎ、特に「4号特例の縮小」や「大規模修繕・模様替えの確認申請要」により、これまで特例的な既存住宅領域にも確認申請が必要となるケースが増えています。また、新築でも、審査範囲が広がることで、申請や検査関係で留意することなどもお話させていただきました。審査期間等も圧迫されていることと、慣れていない審査、検査等により審査の長期化や、これまでに無い対応を求められる可能性がありますので、自社も含め注意することをお伝えしました。

市場面では、新築住宅の需要がインフレ等もふくめ停滞する一方、既存住宅のリフォームや再生が大きな増加傾向です。しかし、そこには「職人不足」や「デジタル化の遅れ」といった業界特有の課題も重くのしかかっているのも現状です。

法改正をしっかり捉え

私たち設計・施工型工務店が目指すべきは、こうした制度の変化をしっかり理解し、地域のお客様に「安心と信頼」を提供することです。そのためには「勉強会の継続」や「工務店連携」など、社内・社外の体制強化が欠かせません。近年この工務店のネットワーク力が全国的な強みでもあり、小さな集団の集まりがある意味大手同様の取組化になっていると感じますし、中小企業は業界団体に属することの必要性を近年強く感じます。

ストック型社会への転換とリフォーム市場

2023年の空き家率は13.8%。今後、住宅市場は「新築から既存住宅の活用へ」と本格的にシフトしていきます。2030年には世帯数も減少に転じると言われており、今後必要となるのは、「リフォーム」や「性能向上リノベ」への対応です。

弊社でも、既存住宅のインスペクション体制を整備し、耐震診断やエネルギー性能の向上、さらには買取再販も含めた対応力を高めています。お客様が安心して既存住宅を購入・改修できる体制こそが、これからの工務店に求められる役割です。

ただ、今回の法改正により、性能向上リノベは建築確認申請の必要性が高くなります。そのうえで、取得できない建物(建物の状態と併せその適合性状況等)もありますから、一定の既存住宅は新築化する必要性も高まると考えます。これらを、データーや関連する資料につていお知らせしましたが、とーーっても喜ばれました・・・笑

人材不足とデジタル化への挑戦

もう一つ無視できないのが、「職人の高齢化と若手不足」。どの業界でも人手不足ですが、この20年で大工人口は約半減しました。この状況を変えるために「建設キャリアアップシステム(CCUS)」の導入は非常に重要です。弊社の取組でもNHK等でとりあげられましたが、、スキルと経験の見える化は、職人さんのやる気にも繋がり、工務店の魅力向上にも直結します。まだまだ、同組合でも大工の社員化やCCUSのの利用が進んでいない状況でしたので、意外と有益な情報だったようです。

また、現場の記録や図面のクラウド化、業務のデジタル化も急務です。これらを進めることで、お客様にも職人にも優しい工務店へと進化していけると確信しています。それから、建築確認申請や検査関係のDX化も進んできていますので、このあたりも注視するよう、最新の資料を提供し認知してもらいました。

とにもかくにも、近年は業界内外を問わず、社会情勢や制度・施策の変化があまりにも早く、私たち工務店業界も、そしてお客様もそのスピードについていくのが難しい時代になっています。だからこそ、これからの住生活環境にどう向き合っていくのか、そしてそれに伴う制度や施策を的確にキャッチし、業界内でその意味を咀嚼する。そして、地域の工務店がそれぞれの地域で力を発揮していくためには、横のつながり、すなわち連携の力がこれまで以上に重要だと、今回の講演を通じてあらためて実感いただけたと思います。

懇親会後は、総会出席者皆で記念写真!まー色濃いメンバーですね。業界ネタですが・・・笑

隊長

 

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