黒柳徹子ミュージアムを見学

まち探訪&建物探訪・IKEDA隊長グルメ
隊長IKEDA隊長

皆さん、こんにちは!IKEDA隊長です。

先日、軽井沢に完成したばかりの「黒柳徹子ミュージアム」を見学してきました。

2025年7月に開館したばかりのこの施設は、タレント・黒柳徹子さんが長年にわたって収集した美術品やアンティーク、衣装などを展示するミュージアムです。設計は、ちひろ美術館や牧野富太郎記念館など数々の名建築を手がけてきた建築家・内藤廣氏。建築を学ぶ者として、展示物もそうですが、建築を主に見学してきました。

在来工法の木造技術が生み出した空間

まず館内に入って感じたのは、木造建築の持つ温もりと力強さ。この建物は木造・一部鉄骨造、2階建て。構造架構が非常に丁寧に表現されていて、梁や柱の力の流れが目で見えるよう。大がかりな建築でありながら、内藤氏が意図したのは「大工さんが作るような在来工法」を起点にした設計だそうです。まさにそれが全身で伝わってくる空間でした。

私たちが日々手がける住宅も、大工の手仕事と在来工法の積み重ねで成り立っています。規模は違えど、木という素材が持つ可能性を最大限に引き出す姿勢は共通するものがあり、職人と一緒にものづくりをする者として、改めて木造の奥深さを感じさせてもらいました。

規則性がありそうでない、緻密な平面と立体計画

隊長が、この建物で特に感銘を受けたのは、平面と断面の計画。一見するとあちこちに屋根が跳び出し、ランダムに見えるのですが、じっくり観察すると明確な秩序が潜む。内藤氏らしい、「緻密さを感じさせない緻密さ」かも。
複数の屋根が折り重なる外観は、着物が重なり合う様子をモチーフにしたとのことですが(メディアでは黒柳さんのトレードマーク「玉ねぎヘア」と報じられましたが、内藤氏自身は「着物の重なり」を意図したと語っています)、この建物はどこから見ても違った表情を見せてくれます。外観フォルムとして軒の張り出しと水平線の取り方が非常に美しく、規則性を持ちながらも変化のある建築形態がみごとに成立しています。軒の高さや庇の出寸法に細心の配慮があってこそ生まれる佇まいでした。

物見台と浅間山、惜しかった一幕

ひとつ残念だったのは、屋根の上に設けられた物見台(展望テラス)です。浅間山を一望できる絶景スポットとのことでしたが、訪問した季節の関係で登ることができませんでした…涙。

次回のお楽しみとして、ぜひリベンジしたいと思っています。

このテラスの存在そのものが興味深いのですが、眺望を取り込む「借景」という発想は、住宅設計においても非常に重要です。窓の位置や大きさで、室内からどんな景色が切り取られるか。その一枚の「額縁」が、住まいの豊かさを大きく左右しますから。

木造建築でも、耐震と開口は両立できる

木造でありながら、大きな窓と内外の連続性を実現しているこの建物から、住宅設計のヒントも多くもらいました。木造建築では耐震性能を確保しながら開口部を大きく取ることは容易ではありません。しかし、構造計画を丁寧に行えば、採光・通風・眺望を確保しながら、耐震等級3を維持することも十分に可能です。そのようなことが本施設のあり方からも見えた気がします。(住宅でないので耐震等級はないですが)

良い建築を見ると、必ず何か持ち帰るものがありますね。軽井沢を訪れる機会があれば、ぜひ黒柳徹子ミュージアムに立ち寄ってみてくださいね。展示物はもちろん、建築も見応えあり一粒で二度美味しい見学ができますから・・・・笑。

隊長

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