BLUE FRONT SHIBAURA/槇文彦展

「隊長の活動他」のこと
隊長IKEDA隊長

皆さん、こんにちは!建築好きIKEDA隊長です。

先日、芝浦で開催中の「Vernacular Humanism:槇総合計画事務所 創立60周年記念展」を訪れてきましたー。設計チームのカッサーに情報を教えてもらい、会場となっている、BLUE FRONT SHIBAURA(ブルーフロント芝浦)へ速攻でいきました・・・笑。展示はTOWER Sの 3階です。

槇文彦(まき ふみひこ)氏は、隊長が建築を志した若い頃から、常に憧れであり、学びの源であり続けた建築家です。代官山のヒルサイドテラスは、その代表作のひとつとして広く知られています。旧山手通り沿いに数次にわたって積み重ねられたこのプロジェクトは、単体の建物として評価されるのではなく、街並みとの対話の中で完成するという稀有な設計思想が貫かれています。建物の高さを10mの軒線に揃え、通りに沿ってヒューマンスケールな連続性をつくり出す・・その姿勢に、若きころ何度も足を運び、建物を見上げたものです。

槇文彦氏の名作はいくつも

全て列挙できませんが、東京体育館の流れるような曲線の大屋根、幕張メッセのスケール感と整然とした構成、そしてニューヨーク9.11の跡地に建てられた4ワールドトレードセンター・・・槇さんの作品は、国内外を問わず時代を刻み続けてきました。1993年には建築界のノーベル賞ともいわれるプリツカー賞を受賞されています。そんな槇文彦さんが、昨年2024老衰に亡くなられました。享年95歳。長年にわたり建築と真剣に向き合い続けた人生の重みに、深い尊敬と継続する、好きなことを追い続けることの大切さを改めて実感した次第です。

↑東京のキリスト教会模型

↑代官山ヒルサイドテラス模型

展示会で感じた「60年の軌跡」

今回の展覧会は、槇総合計画事務所の創立60周年を記念したもので、事務所が取り組んできた145のプロジェクトを模型・パネル・映像で紹介するもの。

展示室には、ヒルサイドテラス、東京体育館、幕張メッセ、青山スパイラル、そして東京のキリスト教会など、数多くの精緻な模型が並んでいます。大きなものからコンパクトサイズのものまで、模型の密度と質が圧倒的で、展示室に足を踏み入れた瞬間から、建築の世界に引き込まれていく感覚が◎です。

特に印象的だったのは、建設中のBLUE FRONT SHIBAURAの映像です。完成された建築の背後にある膨大な試行錯誤と時間の積み重ねが伝わってきて、見応えがありました。竣工した建物だけでは伝わらない「つくる過程」の緊張感と真剣さ・・それを映像で追体験できるのは、建築に携わる者として本当に貴重な機会でした。思わず全て見てしまい、それなりの時間を・・・・笑。

BLUE FRONT SHIBAURA——完成を見届けられなかった最後の大作

この展覧会の会場そのものが、実は槇さんの最後の大作のひとつです。
BLUE FRONT SHIBAURA(ブルーフロント芝浦)は、野村不動産とJR東日本が共同で進める大規模複合開発で、TOWER SとTOWER Nの2棟からなるツインタワー計画です。TOWER Sは地上43階・高さ約228m。2025年2月に竣工し、ホテル「フェアモント東京」やオフィス・商業施設が入居しています。

そして対に建築されるのが、TOWER Nです。こちらは着工が2027年度、竣工が2030年度を予定しています。つまり、槇さんが手がけたこのツインタワーは、2024年6月に槇さんが亡くなられた時点で、まだ1棟しか完成していませんでした。

自らが設計した建物の中で、自らの60年の仕事を展示し、その建物が完全なかたちになるのを見届けることなく逝かれた・・そう思うと残念でもありますが、その想いを受け継ぐ槇事務所のスペシャリスト達が次なる時代を担う未来を感じるシーンでもありました。

それでもTOWER Sの空間は繊細で緻密、まさに槇さんの思想そのもの。芝浦運河に面したこの場所を、槇さんはこう語っていたそうです。「ここを利用する人、訪れる人々が一度この場所にきたら一生忘れることの出来ない、新しい祝祭性の実現を目指すことを約束したい」と。設計者自らが語ったこの言葉の重みを、会場の空気の中に感じることが出来たきがします。

BLUE FRONT SHIBAURA

BLUE FRONT SHIBAURA

会期終了まであとわずかです

この展覧会は、好評につき会期が5月30日まで延長されています。残り日程は少なくなってきましたが、お時間のある方にはぜひ足を運んでいただきたい展示です。

入場は無料で、開場時間は10:00〜19:00(最終日は15:00まで)です。会場はJR浜松町駅南口から徒歩約6分、またはゆりかもめ日の出駅からも約7分の場所にあります。

建築やデザインに関心のある方はもちろん、家づくりをお考えの方にとっても、「本物の建築」が人に与える感動を体感できる貴重な機会だと思います。

槇文彦さんの、人と建築と社会への深い眼差し。その60年の仕事を、ぜひ会場でご覧ください。

隊長

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