大阪の工務店ダイシンビルド見学

「隊長の活動他」のこと
隊長IKEDA隊長

皆さん、こんにちは!IKEDA隊長です。

先日、東京の工務店仲間たちと一緒に、大阪・京都へ視察に出かけてきました。「視察」とひと言で言ってしまうには、あまりにも中身の濃い旅でした。高性能住宅の見学、世界遺産の庭園、そして銭湯を蘇らせたカフェでのランチ・・それぞれの場所で、建築と住まいに関わるものとして、大切なことをたくさん学ばせていただきました。

ダイシンビルドさんの高性能住宅を見学して

今回の視察のきっかけは、大阪を拠点に高性能住宅を手がけるダイシンビルド(代表:清水一人さん)の視察&清水社長自らご案内頂きました。m(_ _)m

ダイシンビルドさんは、関西の気候・風土に合った高断熱・高気密住宅づくりを長年実践されている工務店。吉野杉を中心とした木材の活用と、Q1住宅(国の省エネ基準の4分の1以下の暖房エネルギーで暮らせる水準)を基準にした家づくりは、岡庭建設が大切にしていることと深く重なるものがありました。

見学させていただいた現場は複数棟に及び、構造が見える状態のものからOB宅、京町家のゲストハウスの完成品まで、それぞれに清水さんの丁寧な解説いただきました。グラスウールによる充填断熱に加え、ボード気密によって高い気密性を確保する手法、そして床下エアコンを活用した全館空調の計画など、細部にわたる技術的な工夫に、参加者全員が釘付。京町家も高性能!。

関西と東京では気候条件が異なります。夏の高温多湿への対策、冬の日射取得の考え方、換気計画の設計方針、それぞれに地域に根差した答えがあることを、改めて実感しました。

天龍寺・東福寺で庭師さんのお話を伺う──これは本当に稀有な体験でした

ダイシンビルドの清水さんは、天龍寺や東福寺の庭師さんたちとの深いご縁をお持ちで、住宅やゲストハウスの作庭にも携わられているそうです。そのご縁があり、私たちは両寺で実際に庭師さんからお話を伺う、という貴重な機会をいただきました。

有名なお寺の庭師さんから直接お話を聞ける機会は人生初!。「これは普通じゃ絶対に実現しない」と、参加者全員が口を揃えつつ貴重なお話を伺いました。

天龍寺は、1339年(暦応2年)に足利尊氏が後醒醐天皇の菩提を弔うために創建した臨济宗天龍寺派の大本山。曹源池庭園は、禸僧・夢窗疏石によって作庭されたとされる池泉回遲式庭園で、日本で最初に国の特別史跡・特別名勝の双方に指定された庭園です、1994年にはユネスコの世界文化遺産にも登録されています。

庭師さんが最初におっしゃったのは、「庭は一日で成るものではない」という言葉。

曹源池を形成する石組み、借景として取り込む嵐山の稜線、池の水位と石の高さの関係、すべてが何百年もの試行錯誤の末に今の姿があるとのこと。樹木一本一本についても、「この木は100年後にどこへ枝を伸ばすか」を想定したうえで植えられているそうです。

剪定のタイミング、使う道具、木の種類ごとに異なる手入れの入れ方、後継の職人の育て方——お話は尽きることなく続きました。中でも印象的だったのは、「木を育てるとは、木に教えてもらうこと」というひと言。木は環境に応じて勝手に育つのではなく、人が働きかけ、木が応え、そこに関係が生まれる。その積み重なり、歴史がやがて「名庭」と呼ばれるものになるのだと。

もう一つの名庭、東福寺では、昭和の名作庭家・重森三玲が1939年(昭和14年)に手掛けた方丈庭園「八相の庭」の庭師さんにご案内いただきました。苔と石板による市松模様の北庭は現代的な美しさで、四方(東西南北)に庭が配置されているのは禅寺のなかで東福寺だけ。

ちなみ、隊長は重森三玲が大好きでして、東福寺はこれで3度目。でも過去2度は訪れつつも、想像で名庭を感じ読み取っていましたが、庭師さんからお話を聞くことで更なる考え方、庭の見方などを知り改めて推しになりました・・・笑。庭の白砂の姿は決まり事がるのかと思っていましたが、そうではなくて、意外と遊び心があって、オリンピックの時は5輪マークを作ったり、その時のムーブメントに合わせながら白砂のデザインも変えているそうです。これは意外でした。また何度も訪れなければいけないなとそう思った次第です。

錢湯が生まれ変わった「さらさ西陣」でランチを

視察の途中、昼食は京都・西陣にある「さらさ西陣」というカフェで取りました。

建築関係者が集まるとどうしてもこうなるのですが、食事そっちのけで空間を観察しまくるメンバーが続出・・笑。「この梁の組み方は…」「タイルの目地、ここだけ違う種類ですね」「格天井の高さ、たぶん・3.8m以上ありますよ」とか、いや、ちゃんとランチも食べましたよ・・笑。

このお店は、昭和5年(1930年)に開業した錢湯「藤の森温泉」をリノベーションして、2000年にカフェとしてオープンしたお店です。建物を壊すのではなく、当時の格天井、壁一面の和製マジョリカタイル、木筱のロッカー、唐破風の玄関——それらをそのまま活かして、新しい用途に再生させた事例。

京都では、古い建物のポテンシャルを生かしたリノベーションが多く見られます。使い方を変えながらも、建物の記憶を残す。建物を長く使い続けることは、資源の循環にもつながります。「壊して新築」ではなく「活かして再生」その思想は、これからの時代にますます重要になると感じています。

今回の視察を終えて

高性能住宅の現場見学、世界遣産の庭師さんからの直接のレクチャー、そして錢湯リノベーションのカフェ。「本物をつくる・本物を残す・本物を受け継ぐ」とても勉強になりました。

ご縁をいただいたダイシンビルドの清水さん、そして快く話を聴かせてくださった天龍寺・東福寺の庭師の皆さんに、心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 

隊長

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