リースバック/終のすみかが狙われる?

「隊長の気になるニュース」
隊長IKEDA隊長

皆さん、こんにちは!IKEDA隊長です。

先日の朝日新聞に、「狙われる 終(つい)のすみか」という見出しで、「リースバック」をうたった不動産の「押し買い」被害の記事が大きく掲載されていました。リースバックとは、自宅を不動産会社に売却して現金を受け取り、売却後は毎月家賃を払うことで、そのまま同じ家に住み続ける仕組みのことです(国土交通省「住宅のリースバックに関するガイドブック」より)。仕組み自体は決して悪いものではありませんが、いま高齢の方を中心に、深刻なトラブルがものすごい勢いで増えているとのことです・・・・。

↑(国土交通省「住宅のリースバックに関するガイドブック」より

リースバックとは?自宅を売って、そのまま賃貸で住み続ける仕組み

リースバックとは、自宅を売却して売却資金を得て、売却後は毎月家賃を支払うことで、住んでいた住宅に引き続き住むという仕組み。国土交通省が2022年6月に公表した「住宅のリースバックに関するガイドブック」で、こう定義されていました。

まとまったお金が一度に手に入り、引っ越さずに済む。固定資産税の負担もなくなる。老後資金の確保や、円滑な相続、住み替えのつなぎとして、本来は選択肢のひとつになり得るものでもあります。国交省も「健全なリースバックの普及」を掲げていますし、空き家の発生を防ぐ効果も期待されています。

ただ、ここが肝心なのですが、リースバックは「売買契約」と「賃貸借契約」がセットになった、かなり複雑な取引なんです。自宅は自分の持ち物ではなくなります。そして家賃が払えなくなれば、当然ながら出ていかなければならない・・。「売っても、ずっと住み続けられる」という言葉だけが独り歩きしているところに、この問題の根っこがあるのかもしれません。

↑リースバックのイメージをAIで作成

今回の問題点/数字が示す「押し買い」の実態

トラブル相談は5年で10倍に増えているとか・・。全国の消費生活センター等に寄せられた住宅のリースバックに関する相談件数は、2019年度の24件から、2022年度129件、2023年度234件、2024年度は239件(国民生活センター)。しかも契約当事者の約70%を70歳以上が占めているそうです。国民生活センターは2026年8月4日にも、あらためて注意喚起を出したところと書いてありました。

国土交通省が2024年12月から2025年1月にかけて宅建業者586社に行った実態調査では、リースバック時の買取価格は相場の6〜7割と回答した事業者が多数。賃貸借契約は、貸主が更新に応じなくてもよい定期借家契約が約50%。買戻し特約を「(積極的には)設定していない」事業者は約80%。修繕費を借主負担としている割合が約4割で、平均居住期間は5年以下が約8割。

そもそも宅建業法のクーリング・オフは、宅建業者が「売主」の場合にしか適用されないそうです。つまり、自宅を売る側である一般の消費者には適用されないんです。実態調査では、そのことを(積極的には)説明していない事業者が約40%にのぼったとか・・。突然の訪問や電話、長時間の勧誘で判断する時間を奪われ、断ってもまた来る。相場より大幅に安く買い叩かれても、後戻りする制度上の受け皿がない。これが「押し買い」と呼ばれている構図のようです。

↑国交省「リースバックに関するガイドライン」概要

令和8年10月から国のガイドラインが施行されます

国土交通省は「住宅のリースバック取引における宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(リースバックに関するガイドライン)」を策定し、令和8年10月1日から施行するそうです。

ポイントは、リースバック取引において「売買」だけでなく「賃貸借」の内容も、相手の判断に重大な影響を及ぼす事項にあたると明確化されたこと。買戻し特約、契約解除・違約金、家賃の額と支払方法、契約期間と更新、修繕費用の負担区分・・こうしたことを故意に告げないのは、宅建業法第47条第1号の事実不告知の禁止に抵触する。拒絶後の勧誘継続や長時間勧誘といった「押し買い」に当たる勧誘も禁止であると、はっきり書かれました。違反した事業者には指示・業務停止命令・免許取消しといった監督処分で厳正に対処するとも明記されています。

一方で、売る側にクーリング・オフがない、という制度の穴はまだ残ったまま。日本弁護士連合会は2025年9月18日に、宅建業者が買主となる売買にもクーリング・オフ制度を導入すること、不動産の価額の根拠を明示して説明する義務を定めること、高齢者が当事者となる場合に親族等の立会いを求めることなどを求める意見書を、国土交通大臣宛に提出しています。朝日新聞の記事でも「売り手もクーリングオフ対象に」という見出しでこの動きが取り上げられていました。

私たちも地域で・・

東京都西東京市の設計施工の工務店・岡庭建設では、家づくりだけでなく、おかにわグループとして岡庭不動産、そして西武新宿線・東伏見駅前のおかにわ賃貸でも、住まいにまつわるご相談をお受けしています。

売却、賃貸、住み替え、相続した実家をどうするか、空き家をどう活かすか。「まだ何も決まっていないのですが」という段階のご相談が、実はいちばん多いんです。私たちは新築もリフォームもメンテナンスも自社で担っていますので、「売る」以外の道も含めてご一緒に考えられます。もちろん、私たちにお願いいただかなくても構いません。ご近所の信頼できる方から、地域の会社をご紹介いただく。それも立派な、そして安全な一手です。

家は、財産である前に、その方の人生そのものです。だからこそ、その相談相手は「条件がいいから」ではなく、「この人になら話せるから」で選んでいただきたい。制度は令和8年10月から一歩前に進みますが、制度が守ってくれるのは最低限のラインだけです。最後に暮らしを守るのは、名前と顔を知っている人とのつながりだと、私は思っています。住まいのことで気になることがあれば、いつでもお気軽にお声がけくださいませ。

隊長

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