中層木造共同住宅の設計講習会/東京都主催

「隊長の活動他」のこと
隊長IKEDA隊長

皆さん、こんにちは!IKEDA隊長です。

前回のコラムに引き続き、「木造耐火賃貸(共同)住宅」情報!
東京都住宅政策本部が主催する「中層木造共同住宅の設計講習会」で、昨年度に引き続き、今年度も講師を務めさせていただくことになりました。岡庭建設がこれまで手がけてきた木造4階建ての共同住宅の事例をもとに、設計の話から施工の話まで、現場のリアルなところをお伝えする予定。そしてこの講習会、前期はすでに定員に達したとのことで、先日から後期分の申込みが始まったそうです。

東京都が「中層木造共同住宅」の講習会を始めた理由

東京都は、2050年の「ゼロエミッション東京」の実現に向けて、省エネ性能に優れ、再生可能エネルギーを活用した住宅の普及を進めています。その中で都が着目しているのが、中層共同住宅の木造化です。

なぜかというと、木造化はCO₂の発生抑制につながり、脱炭素に対して非常に有効な手段だからです。加えて、都内には今後、建替え時期を迎える中層の共同住宅が数多く出てくることが見込まれています。その建替えのタイミングで、鉄骨造・鉄筋コンクリート造の一択ではなく「木造という選択肢」を持てる設計者・施工者を育てておきたい!というのが、この講習会の狙いだそうです。素晴らしい!。

主催は東京都住宅政策本部民間住宅部計画課。全6回を通して受講することで、中層木造共同住宅の設計・施工の実務に必要な知識をひと通り習得できる構成になっています。

全6回、そうそうたる講師陣です

講習会の中身を少しご紹介しますと、以下のインナップです。

第1回は「中大規模木造建築概論」として、国産木材利用の意義や環境の観点、基準法改正などを大橋好光先生(木を活かす建築推進協議会 代表理事/東京都市大学 名誉教授)が。あわせて構法計画の基本事項、構造計画上の留意事項、設計プロセスを大倉靖彦さん(アルセッド建築研究所)が担当されます。

第2回は中大規模木造建築の設計(八木敦司さん)と木質系材料(小林研治先生・東京大学大学院)、第3回は木造建築の省エネ〜断熱の理論と実践〜(久保田博之さん)と遮音の特徴と設計(平光厚雄さん・国土交通省国土技術政策総合研究所)。

そして第4回・第5回は、防耐火の第一人者である安井昇さん(桜設計集団)が、防耐火規定の概要や告示の例示仕様(1時間準耐火構造、75分準耐火構造)、燃えしろ設計、接合部の防耐火までを2回にわたって解説されます。

最終回となる第6回が、賃貸住宅の事業収益・損益分岐など(仲田正徳さん・首都圏不燃建築公社)と、「中層木造共同住宅の事例紹介」。この事例紹介のパートを、隊長が担当させていただきます。

こうして並べてみると、ものすごい先生方の後ろに隊長の名前が載っているわけで、正直なところ今から緊張しております・・・笑。

↑岡庭建設が手掛ける高性能賃貸(共同)住宅ROEMI。
2階建てシリーズのほか、ROEMI3F(木造準耐火構造3階建)とROEMI4F(木造耐火構造4階建)

「実際に手掛けてみて、どうだったか」

理論や法規の部分は、まさに専門の先生方がしっかり解説してくださいます。ですので隊長が担当する事例紹介では、実際に設計して、実際に建てて、実際に運用してみてどうだったかというところを中心にお話しするつもりです。

岡庭建設では、東京・中央区で木造耐火の4階建て(1階が店舗、2〜4階が共同住宅)を手がけましたし、今週開催される、中野区鷺宮の木造耐火4階賃貸(共同)住宅で2棟目となります。木造の4階建て、しかも耐火建築物というだけで珍しいのですが、この建物は防耐火・耐震・省エネのすべてを同時に成立させています。構造は許容応力度計算(ルート2)で計算。省エネについても、東京都が推進する東京ゼロエミ住宅」の認証を取得済みです。

こうした建物は、図面の上ではきれいに描けても、現場に落とし込むときに必ず「壁」が出てきます。耐火被覆の納まり、接合部の処理、工程の組み方、職人さんへの伝え方、検査のタイミング・・・。実務者の皆さんが本当に知りたいのは、たぶんそこだと思います。ですので、うまくいったことだけでなく、悩んだこと、苦労して設計施工を手掛けたこと、次はこうすると決めたことも含めてお話しできればと考えています。それが、これから中層木造に挑もうとされる方の一番の近道になるはずですので。

前期は早々に定員、後期の募集が始まりました

この講習会、昨年度(令和7年度)は年1期のみの開催で、募集開始から即日締切という状態でした。それだけ関心が高いということですね。そこで今年度は2期(前期・後期)の開催となったのですが、それでも前期は早々に定員に達したと伺っています。隊長も工期だけでなく前期でも同様のお話をすることになっています。

 

  • 開催時期:令和8年8月から令和9年2月まで、全6回
  • 会場:(一社)東京都建築士事務所協会 会議室(新宿区新宿5-17-17 渡菱ビル3階)
  • 定員:50名(先着順)/受講料:無料
  • 対象:東京都省エネ・再エネ住宅推進プラットフォーム会員団体の設計者・施工者の方
  • ウェブ配信なし(会場受講のみ)

後期も、前期と同様の内容で日程が設定されると案内されています。ひとつ押さえておいていただきたいのが、この講習会は「受講後、中層木造共同住宅の設計・建設を行った場合には都へ報告する」ことが参加条件になっている点です。つまり、聞いて終わりではなく、実際に手を動かす人を育てる講習会なのだと思います。ここは都の本気度が伝わるところですね。なお、ウェブ配信は行われませんので、全6回、新宿に通っていただく形になります。定員は50名の先着順ですから、お考えの方は早めの申込みをおすすめします。詳細と申込方法は、東京都住宅政策本部のページをご確認ください。

木造という選択肢と木造の可能性

中層の共同住宅を木造でつくるという選択は、これからの東京にとって確実に必要かつ増加傾向になってきます。設計者の方、施工者の方はもちろん、「所有している建物の建替えを考えている」というオーナーの皆さんにとっても、木造という選択肢を知っていただく価値は大きいはずです。

講習会の事を記事にしましたが、木造の賃貸(共同)住宅、賃貸併用住宅、店舗併用住宅などをお考えの方は、ぜひ一度、ご相談ください。これからも、木でできることの幅を設計、現場スタッフ&社員大工達と共に広げる取り組みを続けてまいります。

隊長

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