点検商法には注意を

「隊長の気になるニュース」
隊長IKEDA隊長

皆さん、こんにちは!IKEDA隊長です。

「近くで工事をしていたら、お宅の屋根が浮いているのが見えました」
「無料で点検します。今日中に工事を決めれば安くできます」

突然このように言われたら、不安になりますね。屋根は自分では確認しにくく、雨漏りや台風被害にもつながる場所です。だからこそ、「すぐに直さなければ」と思ってしまうのも無理はありません。記事でめにしたのですが、国民生活センターには、点検をきっかけに不要な工事や高額な契約を勧められたという相談が数多く寄せられているそうです・・。
ですので、今回は点検商法に注意として触れておきたいと思います。

突然の訪問で不安を感じても、その場で契約せず、信頼できる人にまず相談を。

まず、PIO-NETとは?

今回の相談件数を理解する前に、「PIO-NET(パイオネット)」について触れておきますね。

PIO-NETの正式名称は「全国消費生活情報ネットワークシステム」。国民生活センターと全国の消費生活センターなどをオンラインで結び、商品やサービス、契約に関して寄せられた相談情報を蓄積しているデータベースだそうです。

消費生活センターでは、相談員が相談者から内容を聞き取り、問題解決に向けた助言や事業者とのあっせんなどを行います。その相談内容と対応の記録を整理して集めたものが、PIO-NETの情報です。

蓄積された情報は、同じような被害が広がっていないかを早期に把握し、消費者への注意喚起、行政の政策づくりや法執行、全国の相談業務に役立てられているそうです。知りませんでした・・・・。

なお、PIO-NETの相談件数は、全国で発生した被害の総数そのものではないそうです。消費生活センターなどへ相談が寄せられ、PIO-NETへ登録された件数。数字を見るときは、「相談として表面化した件数」であることも押さえておきたいところですね。

リフォーム相談が減っても、点検商法は増えている

国民生活センターが2026年7月31日に更新した資料によると、PIO-NETに登録された「訪問販売によるリフォーム工事」の相談件数は、2024年度の9,839件から2025年度は5,544件へ減少しました。

一方、「点検商法」の相談は、2024年度の19,249件から2025年度は19,696件へ増えています。2026年度もすでに、前年同期の件数を上回っているとかです。

ここで注意したいのは、「訪問販売によるリフォーム工事」と「点検商法」は同じ集計ではないということです。点検商法には屋根だけでなく、分電盤、給湯器、太陽光発電システムなども含まれます。リフォーム工事の相談が減ったという一つの数字だけで、「点検を口実にした勧誘の問題も減った」とは言えません。むしろ、ZEH住宅等を含め、住まいの設備が多様化する中で、点検商法の入口も広がっていると考える必要があります。

よくある言葉は「不安」と「今すぐ」

国民生活センターが紹介している最近の相談事例には、次のようなものがあります。

  • 「屋根がずれているので無料で点検する」と言われた
  • 「近所で工事をしていて、お宅の屋根の不具合が見えた」と言われた
  • 「屋根が浮き上がっている。今日なら割り引く」と契約を急かされた
  • 「太陽光発電システムの点検が義務化された」と説明された

共通しているのは、住まい手の不安を刺激し、確認する時間を与えずに判断を迫ることです。もちろん、訪問してくる事業者がすべて悪質ということではありませんし、本当に補修が必要な場合もあります。だからこそ、訪問した人の説明だけで「問題がある」「工事が必要だ」と決めず、建物を客観的に確認することが大切です。

突然「点検します」と言われたときの5つの行動

突然の訪問を受けたときは、次の順序を思い出してください。

  1. その場で屋根や床下などへ入ってもらわない
  2. その場で契約せず、名刺や会社名、説明内容を控える
  3. 写真を見せられても、自宅のものか、工事が必要な状態かを別の専門家に確認する
  4. 家を建てた会社、普段メンテナンスを頼んでいる会社、地域の信頼できる工務店などへ相談する
  5. 不安や契約上のトラブルがあれば、消費者ホットライン「188」へ相談する

訪問販売で契約してしまった場合でも、特定商取引法では、法律で定められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、原則として書面または電子メールなどの電磁的記録でクーリング・オフができます。

事業者から事実と異なる説明や威迫を受け、クーリング・オフできなかった場合には、8日を過ぎても対応できることがあります。個別の事情で判断が異なるため、困ったときは早めに「188」や専門窓口へ相談することをオススメします。

“かかりつけの工務店”がいるという安心

点検商法につけ込まれやすい背景には、「この家のことを、誰に聞けばよいのか分からない」という問題もあります。

住宅は、完成した瞬間が終わりではありません。屋根、外壁、防水、給湯器、分電盤などは、時間とともに状態が変わります。必要な時期に点検し、記録を残し、優先順位をつけて直していくことが大切です。

日頃から点検を受け、建物の履歴や状態を共有できていれば、突然「危険です」と言われても、落ち着いて確認できます。

では、誰に聞けばよいのか。ひとつの手がかりが、地域の工務店でもあります。

地域工務店といっても、規模も得意分野もさまざまですから、一概には言えません。ただ、その地域で長く住まいに関わり続けてきた会社が多いことは確かです。何十年も同じまちで仕事をしていれば、建てた家も、直した家も、まちの中に残ります。いい加減な仕事をすれば、それはそのまま地元での評判になりますからね。

家族や知人が「あそこにお願いしたよ」と教えてくれた会社、見学会やイベントで顔を合わせたことのある会社・・そうした“顔の見える”関係の中で相談できることは、思っている以上に大きな安心につながります。

突然訪ねてきた、名前も知らない会社の「今日中なら安くします」。
何年も同じまちにいて、この先も同じまちで仕事を続けていく会社の「今は様子を見ましょう」。

どちらの言葉に重みがあるか。皆さんは、どう感じますか?

岡庭建設では、建物のお引き渡し後、3か月、12か月、24か月、5年、10年の計5回の定期点検を行い、暮らし始めてからの不具合や点検内容をメンテナンスカルテとして保管しています。

さらに、定期点検の期間が終わる10年目以降も点検が途切れないように、有償の点検制度「おうちクリニック」を設けています。住まいを永続的に見守り、必要な時期に必要な手当てをしていくための、会員制の仕組みです。会員の皆さまには、メンテナンス出張費(年3回まで無料)やレンタル工具の貸出など、暮らしに役立つサポートサービス「クラティー」もご用意しています。

そしてもうひとつ。この家守りの取り組みは、岡庭建設で新築された方、リフォームされた方だけのものではありません。「うちは他社で建てた家だけれど、見てもらえますか」というご相談も、地域の皆さまから日常的にお受けしています。建てた会社がすでにない、担当者と連絡が取れない・・そうしたお住まいこそ、点検商法の入口になりやすいですからね。

自分たちがつくった家だけでなく、地域にある住まい全体を見ていく。それも、まちに根ざした工務店の役目だと考えています。家を建てた後も相談できること。必要な工事と、まだ必要でない工事を一緒に考えられること。これは、地域工務店が担う大切な“家守り”の役割でもあります。

住まいの状態を定期的に確認し、履歴として残すことが安心につながります

点検を断るのではなく、“誰に点検してもらうか”を選ぶ

点検商法が心配だからといって、住宅の点検そのものを避けてしまっては、本当に必要な修繕の機会を逃してしまいます。大切なのは、「点検を受けるか、受けないか」だけではありません。

誰が点検するのか。どのような根拠で判断するのか。記録は残るのか。工事後も相談できるのか。

住まいを長く大切に使うには、こうした視点で相談相手を選ぶことが必要です。

突然の訪問に不安を感じたら、まずは扉の前で一呼吸。その場で決めず、家の“かかりつけ医”ともいえる工務店や専門家に確認してみてください。

地域の中で、つくることと直すこと、その後の暮らしをつなぎ続ける。私たちも、そんな家守りの役割を丁寧に果たしていきたいと思います。今回の記事が参考になれば幸いです。

隊長

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