家庭用蓄電池/GX ZEHで2027年から必須に

「隊長の気になるニュース」
隊長IKEDA隊長

皆さん、こんにちは!IKEDA隊長です。

太陽光発電と一緒に検討されることが増えてきた家庭用蓄電池。家づくりのご相談の中でも、「蓄電池は付けた方がいいですか?」と聞かれる機会が増えてきました。

家庭用蓄電池とは、太陽光発電でつくった電気や電力会社から買った電気をためておき、必要なときに家の中で使えるようにする設備のことです。

背景には国の動きもあります。2025年にも一度コラムで書きましたが、経済産業省が定めた新しいZEHの定義「GX ZEH」では、2027年4月以降、戸建住宅に高度なエネルギー管理設備(HEMS)と定置用蓄電池の導入が求められます。とはいえ、「容量が大きいほど安心」「補助金が出るなら付けた方が得」と単純には決められません。家族構成や電気の使い方、太陽光発電の容量、停電時に使いたい設備によって、適切な機種や容量は変わるからなんですね。

 

↑太陽光でつくった電気を蓄電池にため、HEMSで家全体の使い方を整えるイメージ

GX ZEHで蓄電池が必須に

GX ZEHでは、戸建住宅の「GX ZEH」「GX ZEH+」「Nearly GX ZEH」について、定置用蓄電池の導入が必須とされています(「GX ZEH Oriented」は対象外)。

経済産業省の定義では、あわせて断熱性能は断熱等性能等級6、太陽光などの再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量は基準から35%以上削減することが求められます。なお、現行のZEHの定義での新規取得は2028年3月までとされています。

ここで大切なのは、蓄電池をただ置けばよいのではなく、HEMSで蓄電池の充電・放電や冷暖房・給湯を制御することが前提になっている点。国が目指しているのは「電池のある家」ではなく、「家全体で電気を上手に使う家」なんですね。

何のために付ける?

家庭用蓄電池の役割は、大きく二つあります。一つは、昼間に太陽光で発電した電気をため、夕方から夜に使う「自家消費」。もう一つは、停電時の非常用電源です。

電気代を抑えることを優先するのか、災害時の備えを重視するのか。それによって、必要な容量も運転の設定も変わります。導入前には、直近1年分の電気の使用量と、使う時間帯を確認してみてください。「毎月何kWh使ったか」も確認する必要がありますが、昼間に多く使うのか、夕方以降に多く使うのかが大切です。共働きで日中は留守がちなご家庭と、在宅ワークで昼間も電気を使うご家庭とでは、蓄電池の働き方がまったく違ってくるんですね。

「大きければ安心」ではない?

蓄電池選びでは、容量(kWh)だけでなく出力(kW)も見ることが大切です。容量は「ためられる電気の量」、出力は「一度に取り出せる電気の大きさ」のことです。

水にたとえると、容量は水タンクの大きさ、出力は蛇口の太さ。タンクが大きくても蛇口が細ければ、たくさんの水を一度には出せません。容量が十分でも出力が小さいと、IH調理器、エアコン、電子レンジなどを同時に使えない場合があります。

もう一つ、技術者として見落としてほしくないのが太陽光発電とのバランスです。昼間に余った電気で満たしきれない大きな蓄電池は、毎日の暮らしの中で力を出し切れません。太陽光の発電量、昼間の余り、夕方以降の使用量。この三つの釣り合いで容量を決めるのが、費用に見合った選び方だと考えています。

家中の電気が使える?

蓄電池には、停電時に家全体へ電気を送る「全負荷型」と、あらかじめ決めた回路だけに送る「特定負荷型」があります。どちらを選ぶかで、停電中の暮らし方は大きく変わりますが、「全負荷型」がオススメです。

確認しておきたいのは、次の5点です。

◯停電時に、どの部屋とどの設備が使えるか
◯200VのエアコンやIH調理器に対応しているか
◯同時に使える電力(出力)はどのくらいか
◯停電中も太陽光から充電できるか
◯切り替えは自動か、手動の操作が必要か

「蓄電池があります」だけでは、停電時の暮らし方までは分かりません。冷蔵庫、照明、スマートフォンなどの通信、給湯、冷暖房など、家族が最低限使いたいものを先に決めておくことが重要です。

電気を残す設定も大切

多くの蓄電池には、停電に備えて一定量の電気を残しておく設定があります。(災害モード等)

日常の自家消費を優先して電気を使い切ってしまえば、その直後に停電したとき、十分な残量がないかもしれません。一方で、常に多く残しておけば、日々の電気代の削減に使える量は少なくなります。

台風が近づくと充電を優先する機能や、気象情報と連動する製品もあります。機器の機能だけでなく、誰が設定を管理するのか、インターネットの通信が切れたときはどうなるのかも確認しておきましょう。

全体価格と補助金

蓄電池の費用は、本体価格だけでなく総額で比べることが大切です。パワーコンディショナーなどの関連機器、分電盤や配線の工事、基礎や架台の設置、保証期間が終わった後の修理、将来の交換・撤去・処分、インターネット接続やサービスの利用料まで含めて考えてみてください。

既存住宅の場合は、今ある太陽光発電設備との相性や、機器を置く場所、搬入経路、分電盤の状態も確認が必要です。屋外に置く機器は、直射日光や浸水のおそれが少ない場所を選ぶことも、長く使うためには大事なことです。

補助金も上手に活用したいところです。東京都の令和8年度「家庭における蓄電池導入促進事業」では、蓄電池システムの新設に1kWhあたり10万円(DR実証に参加しない場合の上限は1戸あたり120万円)の助成が設けられています。太陽光発電が設置済みか同時に設置することなどが条件で、契約の前に事前申込が必要です。

補助制度の多くは、申請前に契約や工事をしてしまうと対象外になります。対象機器、申請の順番、ほかの制度との併用条件を確認してから契約するようにしましょう。詳しくはクール・ネット東京のホームページもご確認ください。

蓄電池は、家全体の性能と一緒に考える

蓄電池は、電気をつくる設備でも、家の断熱性能を高める設備でもありません。まず家そのものの断熱性を高め、少ないエネルギーで快適に暮らせる状態をつくる。そのうえで、太陽光発電と蓄電池を組み合わせる。これが基本だと考えています。

岡庭建設では、近年、GXZEHレベルである断熱等級6をベースとしたうえで、設備だけを単独で考えず、断熱性能、日射、太陽光の発電量、ご家族の暮らし方、停電時の過ごし方までを含めて、住まい全体を設計することを大切にしています。

「蓄電池があるから安心な家」ではなく、「少ないエネルギーで快適に暮らせる家に、蓄電池という備えが加わる」。災害時でも安心!。そういう順番の家づくりが、結果として家計にも、災害時の安心にもつながる!やはり目的や意味は大事ですね。ということで、最近聞かれることが多くなったことと、制度が新たに変わってくることも含めてのコラムでした。

隊長

 

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