軽井沢T-SITEにいってみた

まち探訪&建物探訪・IKEDA隊長グルメ
隊長IKEDA隊長

皆さん、こんにちは!IKEDA隊長です。

5連休となったシルバーウィークに、軽井沢へ足を延ばしてきました。お目当ては、今年の春に軽井沢駅の北口に誕生した「軽井沢T-SITE」です。

軽井沢T-SITEとは、三菱地所・アクアイグニス・カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の3社が手がけ、2026年3月17日に開業した軽井沢駅直結の複合商業施設です。飲食・物販・温浴・宿泊など17店舗が集まり、「信州らしさを発信し、体感できる好奇心を”くすぐる”ゲートウェイ」がコンセプトになっています。

今回は、実際に訪れてみた建物探訪情報です!

軽井沢T-SITEはどんな施設?線路跡地を活かした「駅の玄関口」

軽井沢T-SITEは、旧信越本線の線路跡地を活かしてつくられた、駅と町をつなぐ施設。1997年の北陸新幹線開業にともなって廃線となった、しなの鉄道所有の約13,000㎡の土地を三菱地所が借り受けて開発したそうです。

建物は鉄骨造の平屋建て・2階建て(一部3階建て)の計6棟。どの棟も濃いグレー系の金属の縦張り外壁と切妻屋根で統一されていて、どこか駅舎や貨物倉庫を思わせる佇まいでした。棟と棟の間には中庭と小道が通り、ベンチやテーブルがあちこちに置かれています。「食べる」「過ごす」「安らぐ」という3つのテーマが、歩きながら自然に体験できる配置になっているんですね。

土地に残る「線路の記憶」を消さずに、新しい使い方で次の世代へつないでいく。これは、私たちが日頃向き合っている既存住宅のリノベーションや、受け継いだ土地の活かし方、建築的にも通じる考え方だと感じました。

↑棟と棟の間を小道がつなぐ軽井沢T-SITEの中庭。連休中は多くの人で賑わっていました

2層分の切妻屋根をそのまま見せたシェアラウンジ

一番奥の大きな棟に入っているのが、スターバックス、「SHARE LOUNGE(シェアラウンジ)」、温浴施設「AQUAIGNIS GARDEN SPA」です。外から見ると、切妻の妻面に大きな格子窓がはめ込まれた、シンプルで力強い外観でした。

中に入って驚いたのは、2層分の高さがある切妻屋根の空間を、天井を張らずにそのまま見せていることです。白く塗られた鉄骨トラスが頭上いっぱいに走り、壁の上部には横長の高窓(ハイサイドライト)が連続しています。妻側の大きな窓とあわせて、曇りの日でも奥まで柔らかい光が届いていました。

ラウンジはかつてこの場所にあった駅のホームをモチーフにデザインされているそうです。構造そのものを「見せる」ことで、空間の成り立ちが素直に伝わってくる。住宅でも勾配天井や梁の現し(あらわし)を好まれる方が多いですが、その魅力を大空間で改めて感じることができました。

↑シェアラウンジと温浴施設が入る棟。妻面の大きな窓が印象的

↑天井鉄骨トラス。

空間の主役は薪ストーブ。

このラウンジの象徴になっていたのが、中央に据えられた薪ストーブです。煙突まわりを細い鉄線で編んだような、砂時計形の大きなオブジェが天井まで伸びていて、まさに空間のシンボルでした。周りには薪がディスプレイのように積まれ、ソファやスツールがぐるりとストーブを囲んでいます。

人は昔から、火のまわりに自然と集まるものなんですよね。まだ火が入る季節ではありませんでしたが、それでもストーブを中心に人の輪ができていて、「場の中心」をつくる力を実感しました。

↑薪ストーブを中心に席が広がるシェアラウンジ。

合板の本棚と照明

もうひとつ学ぶべき点が多かったのが、本棚と照明のあり方です。壁一面の本棚や、売場を仕切る棚は、木目の表情が力強い合板を濃い色で仕上げたもので、既製の家具ではなく空間に合わせてつくる「造作家具」。

感心したのは、照明器具を天井に増やすのではなく、棚板の下に光を仕込んでいることです。棚の中の本や雑貨がふわっと浮かび上がり、天井の器具は最小限。そのおかげで、トラスの見える天井がすっきりと美しく保たれていました。棚の奥にはパソコン席も組み込まれていて、家具が「間仕切り」「照明」「作業台」を兼ねているんですね。

合板は決して高価な材料ではありません。それでも、仕上げの色と照明の当て方ひとつで、ここまで上質な表情になる。住宅の本棚や壁面収納、ワークスペースをつくるときにも、そのまま活かせる考え方です。

↑棚の中に照明を仕込んだ合板の造作棚。

シェアラウンジはコワーキング?

ラウンジを歩いていて気がついたのは、都市部のシェアラウンジとは違い、スペースごとに雰囲気や使い方がはっきり分かれていることでした。「これはコワーキングなのかな?」と思い調べてみると、SHARE LOUNGEは公式には「時間制カフェラウンジ&コワーキングスペース」という位置づけで、フリードリンク・Wi-Fi・電源が備わっています。

ただ、ここ軽井沢では、入口近くの薪ストーブを囲むエリアはスターバックスで購入すれば利用でき、奥のエリアが時間制の有料ラウンジ(1時間1,870円から)、さらに個室や会議室もあるという構成。全体で約150席。新幹線を待つ旅行者、温浴の後にくつろぐ人、パソコンに向かう人──それぞれが自分に合った場所を選べるように、あえてゾーンを分けているのだと思います。

ドーナツからホテルまで

飲食・物販も充実しています。生ドーナツ専門店「I’m donut?(アイムドーナツ)」は甲信越初出店とのことで、軽井沢でも長蛇の列でした・・・東京でも並ぶお店ですが、避暑地に来てまで並ぶ皆さんの熱意に脱帽です・・笑

ほかにも、東御市の「わざわざ」が手がけるコンビニ型の日用品店「わざマート」、東京・恵比寿の名店「鮨屋小野」、笠原将弘シェフの「笠庵 賛否両論」、長野ワインを扱うお店など、信州の味と話題のお店が並んでいます。お店の前は、半透明の屋根がかかったウッドデッキの軒下空間になっていて、雨の日でも回遊できるよう工夫されていました。

ザ・コンランショップがデザイン監修した全9室の小さなホテル「HACIENDA KARUIZAWA」、2種類のサウナと薬草湯のある温浴施設も併設されているそうです。今回は外から拝見するだけでしたが、ゆっくり泊まって、夜の空間も体験してみたいものです・・。

↑お店の前は屋根付きのウッドデッキ。

大空間から住まいへ

今回の見学で感じたのは、「構造を見せる」「火を囲む」「家具と照明を一体で考える」「居場所を選べるようにする」という、空間づくりの基本の大切さでした。規模は違っても、住まいづくりに活かせることもあり、多くの学びをもらいました。大きな施設で「いいな」と感じた心地よさは、実は住まいの中にも取り入れられるものだなと改めて感じた次第です。

隊長

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